日本仏教の6系統
文化庁の「宗教年鑑」では、ほとんどの宗派を6つの系統に分類しています。
このうち、「奈良仏教系」を除く5宗派は開祖によって分けられ、現在、日本のお寺のほとんどはいずれかに分類されます。
座禅
「座禅」とは、姿勢を正し、呼吸を調えて座り、心を落ち着かせることです。
基本的な修行の一つとも、それ自体がさとりの現れであるともされます。
お釈迦様が出家したのち、最後に実行した瞑想の修行に由来します。
目指すところは、心を統一し、きれいに、安らかにすることで、これによって、正しい智慧が得られるのです。
座禅をしてみると、心にさまざまな雑念や煩悩が浮かんでくるでしょう。
その時には、それらを追いかけたり、それらにとらわれたりしないことが大事です。
はじめのうちは、吸う息、吐く息に気持ちを集中し、一つ、二つとその数を数えることもお勧めです。
座禅は、心身の健康の元でもあります。
写仏
「写経」のほか、筆や絵の具を使って、仏像の姿を書き写す「写仏」もあります。
基本的に下絵をなぞるように描くので、絵心がなくても大丈夫。
仏さまと向き合う気持ちで、丁寧に書きましょう。
写経
写経とは、文字通り、経典を書き写すこと。
印刷技術が発達していなかった時代には、お経は書き写され、広められていきました。
そのため、いまでも写経は心を静める方法の一つであり、大きな利益があるとされています。
さまざまな仏像 4
天
如来や菩薩の守護神
バラモン教やヒンドゥー教など、インド古来の神々を仏教に取り込んだのが天。
守護神として仏教を守ります。
「梵天」「帝釈天」「弁財天」などがあります。
さまざまな仏像 3
明王
霊力豊かな如来の使者
如来の教えを世の中に広めるため、憤怒の形相で人々を仏道に目覚めさせます。
主に密教で重要しされ、「不動明王」「大威徳明王」「愛染明王」などがあります。
さまざまな仏像 2
菩薩
衆生救済をめざす
菩薩像は出家前のお釈迦様がモデル。
あえて仏にならず、修行者としてさまざまな姿で人々を教えに導きます。
「弥勒菩薩」「観音菩薩」「文殊菩薩」などがあります。
さまざまな仏像 1
如来
お釈迦様がモデル。
如来とは「さとりの世界より来る者」を指し、「釈迦如来」はさとりを開いたお釈迦様の姿です。
その後「薬師如来」「阿弥陀如来」「大日如来」など、多くの如来像が誕生しました。
京都五山送り火
夏の夜空を彩る「京都五山送り火」は、お盆の精霊を送る伝統行事です。
東山に大の字が浮かび上がり、続いて、松ケ崎に妙・法、西賀茂に船形、大北山に左大文字、そして、嵯峨に鳥居形が点ります。
これら5つの送り火はすべて京都市登録無形民俗文化財です。
本年は新型コロナウイルスの感染状況などを踏まえ、山上での密集、密接を避けるため、点火の個数を大幅に制限して実施されるそうです。
お盆の豆知識
キュウリの馬・ナスの牛
お盆の時に、キュウリの馬と、ナスの牛を供えることがあります。
これは先祖の霊が、馬に乗って一刻も早くこの世に帰り、牛に乗ってゆっくりあの世へ戻って行くように、との願いを込めたものといわれています。
真菰(まこも)で作られた馬と牛を供える場合も多いです。
また、先祖の霊がキュウリの馬に乗り、牛には荷物を乗せて楽に帰れるように、という意味が込められているともいわれています。
ほおづき
精霊棚や仏壇の前に、ほおづきを下げる地域があります。
ほおづきは鬼灯とも書かれ、死者の提灯であるともいわれています。
盆踊り
最近では宗教的な色合いは薄れてきましたが、元来盆踊りは、お盆に帰って来た故人や先祖の霊を慰め、無事に送り帰すための宗教的な行事でした。
また、帰って来た霊が供養のおかげで成仏できた喜びを、踊りで表現しているともいわれています。